まいくろ~部様々な微生物

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様々な微生物

1-1 微生物を友だちに ~微生物はどこにでもいる~

”微生物はどこにでもいる。極限環境下から人間の周辺の環境まで。そんな微生物との共生関係の構築が人類にとって今後重要になっていく。”

微生物はどこにでもいる

 「そして解析表が細胞膜の活動を抑制する極限環境微生物の分子構造であると判明。この抑制剤を同時に投与すれば血液凝固剤の性質が維持できる。」
「シン・ゴジラ」劇場パンフレットより

イエローストーン国立公園


ゴジラの体内にも微生物は存在します。ゴジラは映画の中の話ですが、実際に地球上に存在する生命にとって苛酷な極限環境 (図1) (砂漠、火山、温泉源、高濃度の塩湖、深海など) にも多様な微生物(好熱菌、低温菌、好塩菌、好酸性菌、好アルカリ性菌、好圧菌、好乾燥性菌、放射能耐性菌、溶媒耐性菌、重金属耐性菌、人工化学物質(ダイオキシン、PCB等)分解菌など)が存在することが明らかになってきました。これらの微生物を総称して極限環境微生物と呼びます。
 極限環境微生物以外にも様々な特徴の微生物が地球上には存在しています。例えば、石油採掘施設ディープ・ウォーター・ホライズンから流出した原油がメキシコ湾を汚染したとき、細菌がその汚染除去に活躍しました。細菌たちは、原油を餌として食べて自分の栄養に変えていったのです。
 この例の他にも、電流を発生する細菌、水中で金を沈殿させ集積する機能を持つ細菌が存在します。世界で最も強固な細菌のデイノコッカス・ラディオデュランスは放射能を放出している核廃棄物の中でさえ生存可能です。
 そもそも地球は約45億年前に溶解した岩からなる生命の存在しない天体として始まりました。10億年後、原始の海 (図2)が自由生活性の細胞=微生物を育みました。私たちは、裸眼で見るには小さすぎる微生物の惑星に暮らしています。
 微生物はどこにでも存在します。
 現在の海には少なくとも2,000万種類(現実には10億種類くらい)の海洋微生物が存在すると考えられています。
(「失われてゆく、我々の内なる細菌」マーティン・J・ブレイザー著:みすず書房 参考)


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