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カーボンナノチューブを微生物で分解する世界初の手法を開発

 当社、日本ゼオン株式会社および名古屋大学大学院の堀教授の研究グループは共同研究によって、エレクトロ二クスをはじめとする様々な産業分野に大きな便益をもたらすことが期待されているカーボンナノチューブ(CNTs)を微生物によって効率的に分解する新手法を開発しました。炭素からできている無機物のCNTsは環境中では生分解されないと考えられてきましたが、今回の結果はその考えを覆すものとなりました。また、これまで環境中に放出された場合の影響が充分に解明されておらず、早急な対応策の策定が産業化の大きな課題でしたが、今回の研究成果により活路が見出された結果となりました。
 新手法では、Shewanella属がもつ無酸素条件下でFe(III)をFe(II)に還元し、有酸素条件下でO2をH2O2に還元することでフェントン反応を効率的に誘導する能力を利用しています。本研究では、その特性を利用して、単層カーボンナノチューブ(SWCNTs)の連続的かつ長期にわたる分解を実現しました。この新しいアプローチは、SWCNTsの環境へのリスクを軽減し、廃棄物処理や環境バイオレメディエーションにおける新しい可能性を提供するものです。Shewanella属によるこの分解技術は、より幅広い環境条件下でのCNTsの安全な処理方法として期待されます。
 本研究成果は、2023年11月30日付国際学術雑誌「Frontiers in Microbiology」にオンライン掲載されました。




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