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感染症対策における空気清浄機の性能基準


まず、はじめに告知させてください。

11月4日(木) 弊社CSO,名古屋大学堀克敏教授によるオンライン講演「除菌とウイルス除去の科学」

現在開催中のあいちサイエンスフェスティバルにて当社CSOでもある名古屋大学の堀克敏教授が「除菌とウイルス除去の科学」をオンライン講演いたします。

昨年のサイエンストークで、実証研究データをもとに、ウレタンマスクのウイルスカット効果が低いことを、いち早く指摘した堀教授。
今年は、CM等でよく目にする、除菌やウイルス除去をうたう空気清浄機などの効果を検証し、正しい知識を提供します。是非上記URLよりお申し込みください。

 市場には、除菌やウイルス除去をうたいながら効果が低いと考えられる製品が出回っています。上記の講演では、堀教授がマスクや空気清浄機等による除菌・ウイルス除去のメカニズムを解説し、感染リスクを真に低減する製品を選ぶ知識を発信する予定です。それに合わせて、まいくろ~部では3日間にわたり空気清浄機の種類や政府機関の見解、また必要なスペックについて発信しています。空気清浄機に期待する機能は複数ありますが本シリーズでは特にウイルス除去or不活化について注目していきます。ぜひ最後までお付き合いいただき、仕上げに堀教授の講演を聞いていただき、ウイルス除去or不活化に関する正しい知識を活用していただければ幸いです。

感染症対策における空気清浄機の性能基準

厚労省の資料によれば、感染症対策として使用する空気清浄機に求められる性能、及び設置方法は以下のように定められています。

  • HEPAフィルターによる濾過式
  • 風量が5 m3/min 程度以上
  • 人のいる場所から10 m2 (6畳)程度の範囲内に設置する

HEPAフィルター方式のものを推奨される理由としては、西村秀一氏(2011)の報告において(2)、HEPAフィルター方式以外の空気清浄機では、HEPAフィルター方式の空気清浄機の性能に遠く及ばなかったことを根拠に挙げています。同報告では、14.4 m3容積のチャンバー内でインフルエンザウイルスを散布し、回収したウイルスのプラーク数をカウントすることで、空気清浄機の性能を評価しています。評価の結果、HEPAフィルター式のものでは、5.1 m3/min(流速), 20 min (運転時間) の条件下で1,000~10,000分の1まで活性ウイルス量の低下が確認されました。一方で、HEPAフィルター以外の空気清浄機での実験では、活性ウイルス量の低下はほとんど見られませんでした。

(2)    西村秀一 (2011) 高性能の空中浮遊インフルエンザウイルス不活化を謳う市販各種電気製品の性能評価 感染症学雑誌 第85巻第5号 pp.537-539


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